海苔は、昔は自分で焼いて食べるものでした。
今は、忙しい時代に合わせて焼海苔の販売が主流になっていますが、たまにゆっくりと時間を作ってご自分で焼いてみませんか?
ガス台に魚焼き用網を乗せて、30cm程離して一枚ずつゆっくり焼いてください。急いではいけません。
これぞ、海苔の「最も贅沢な食べ方」です。
海苔は一枚の網から数回摘み取られますが、最初に摘み取った海苔を初摘みとか一番摘みと呼んでいます。
元気良くピチピチと弾けるような若い海苔は、摘み取って乾燥する時に葉が互いに引っ張り合い、小さな穴が出来ることがあります。口の中で溶けるような柔らかさ・溶けるような甘みが特徴の初摘み。
温かいご飯に乗せて旬の味をお楽しみください。
吟選仕入れ『飛優』とびゆう
11月初旬の一番摘みの海苔に青のりが混ざった、香り高い焼海苔です。
海苔の生産は11月から始まりますが、たまに青海苔が網に付着し、黒海苔と一緒に成長することがあります。
このように初摘みの海苔の特徴として、青海苔の混ざった海苔を浜では青混ぜと呼び、ほろ苦い香りが海の匂いを感じさせてくれます。冬の訪れを告げる香りです。
意外にも海苔と相性が良いのが「バター」です。
こんがり焼いたトーストにバターを塗って、海苔を乗せてみてください。細かくちぎって乗せれば、食べやすさも抜群です。とろけるバターと海苔が混ざった、磯の香りのトーストを楽しめます。
焙炉は、江戸時代から食通の間で海苔の旨みを粋に楽しむために愛用されてきた、海苔の加熱乾燥用の道具です。
(海苔を乾燥させる道具で、焼く道具ではありません)
昔から伝わる知恵を再現したこの焙炉で、焼きたての香りと旨みをお楽しみいただけます。